お役立ちコラム
MT車だけではない?エンストとはどのようなケースで発生するかを解説!
2023年09月22日
MT車のギアチェンジの際に起こるイメージのあるエンスト。
しかし、エンストはギアチェンジの他にも起こりうるケースが存在します。
また、皆さんはAT車においてもエンストを起こす可能性があると知っていますか?
今回は、エンストの主な原因やAT車で起こるエンストについてを解説します。
エンストとは何を指しているの?
エンストとは、エンジンストールの略称で、エンジンの出力が失速する現象を表しています。
また、エンストの原因はMT車のギア切り替えミスにより起こるほかにも、エンジン内の燃焼トラブルや燃料の供給にまつわるトラブルなどさまざまなケースがあります。
したがって、エンストは自動車にとって操作ミスやエンジントラブルによるエンジンへの過大な負荷を抑える防衛反応とも捉えることが可能です。
そのため、エンストの原因や発生時の取り扱いを知ることで、自動車をより安全に運転する一助になると言えるでしょう。
エンストが起こるケースにはどのようなものがある?
前項では、エンストとはどのような現象なのかを解説しました。
では、自動車がエンストを起こす原因には何があるのでしょうか?
本項では、エンスト発生時に考えられる原因やAT車でエンストが起こるケースを紹介します。
エンストはどのようなケースで起こる?
エンストは、エンジンがストールする現象であるため、MT車のギアの切り替えミスの他にも、エンジンの燃焼に何らかのトラブルを起こしているケースが考えられます。
そこで本項では、エンストを起こす燃焼不良の主な原因を3つ紹介します。
1.点火
エンジンを動作させるには、エンジン内部(燃焼室)における燃焼が必要です。
そこで、エンジンには燃料に火を付ける役割の点火プラグが装備されており、より良くエンジンが回転できるタイミングで燃料を燃やしています。
しかし、点火プラグの故障や制御システムのトラブルにより、適切なタイミングで点火されない場合、エンジンの回転が不安定となり、ストールにつながります。
2.燃料の供給
自動車の内部で、燃料配管に詰まりがあったり、エンジンに燃料を送るポンプが故障していたりすると、燃焼に必要な量の燃料がエンジンに行きわたりません。
すると、エンジンは自動車を動かすために必要な力を出すことができずにストールすることがあります。
また、ディーゼルエンジンを搭載した自動車には、一般的にガソリンエンジンのような点火プラグが装備されていません。
そのため、ディーゼル車にガソリンを入れてしまうと、エンストやエンジンの故障にもつながるので、燃料の入れ間違いには特に注意が必要です。
3.制御関連
燃料センサーなどの制御部品が故障した場合でも、エンストにつながることがあります。
燃料の量を確認するセンサーが故障すると、燃料切れを感知できないため、燃料が不足してエンストを起こすケースが代表例です。
他にも、エンジンに与える空気の量を感知するセンサーが故障すると、燃焼に必要な空気量が制御できず、エンジンの出力を低下させるケースが考えられます。
上記、いずれの場合でも専門的な知識や技能が必要であったり、部品を交換する必要があったりするので、自動車を安全に停止させてロードサービスなどに連絡すると良いでしょう。
AT車ではどのようなケースでエンストする?
エンストは、MT車特有の現象だと言うイメージがありますが、AT車でもエンストが起こるケースがあります。
AT車でエンストが起きるケースは、主に以下の2つです。
シフトレンジの位置と走行する方向があっていないケース
坂道で自動車を運転する際に、後退レンジのまま前進したり、前進レンジのまま後進したりして坂を下るとエンストが起こります。
また、坂道発進のアシスト装置が搭載された自動車においても、アシスト時間を越えると自動車がずり下がり、エンストに至るケースがあります。
そのため、坂道ではシフトレンジを確認したり、あらかじめ取扱説明書でアシスト時間を確認したりすると、より安全に運転できると言えるでしょう。
プッシュ式のスタート装置で起動操作を行うケース
プッシュ式のスタート装置が搭載されている自動車では、ブレーキペダルを踏まずにプッシュボタンを押すと、エンジンが起動しないケースがあります。
そのため、メーターパネルやタコメータでエンジンが起動していることを確認すると良いでしょう。
エンストが起こった時はどのような行動をとるべきなのか?
前項では、エンストの原因やAT車でエンストが起きるケースを紹介しました。
また、エンストを起こすと自動車には普段と違った挙動が現れます。
本項では、エンストで起きる自動車の挙動や発生時の取り扱いについてを紹介します。
エンストが起こると自動車にはどのような影響がある?
エンジンがストールすると、ブレーキやハンドルのアシスト力を低下させるケースがあります。
さらに、自動車を停止させるためにブレーキペダルを数回にわたって踏み続けると、ブレーキ倍力装置のアシスト力がしだいに減少していき、ブレーキが硬くなります。
そのため、エンスト時はブレーキペダルをいつも以上の力を使って、一度で踏むようにすると良いでしょう。
また、ハンドルの操舵においても、パワーステアリングのアシスト力が低下するので、ハンドルが重くなります。
したがって、エンスト時にはいつも以上の力を用いて、ブレーキやハンドルを操作する必要があると言えるでしょう。
エンストが起きたらどのように対処すればいいの?
エンストが起きた時には、落ち着いて以下の行動をすることが大切です。
停止中にエンストが起こった場合は、パーキングブレーキをかけてメーターパネルやタコメータでエンジンが止まっているかを確認します。
そして、ハザードランプや三角表示板を用いて、周囲に危険を知らせましょう。
また、運転中にエンストが起こった場合は、ハンドルやブレーキペダルのアシスト力が低下しているので、停止や操舵にはいつも以上の力が必要だと知っておくことが大切です。
MT車だけではない?エンストとはどのようなケースで発生するかを解説!まとめ
今回は、自動車のエンストの原因や発生時の取り扱いについて解説しました。
エンスト発生時には、停止中・運転中に限らず、落ち着いて行動することが大切です。
本記事を参考に、エンストに関する知識を深めて、有事の際に役立てて頂ければ幸いです。