お役立ちコラム
オイルエレメントとは?オイルフィルターの違いと交換時期、メンテナンスについて解説
2024年03月14日
エンジンの長寿命化と性能維持のためには、定期的なオイル交換が不可欠です。
この際、オイルエレメント(オイルフィルター)の役割は非常に重要です。
この記事では、オイルエレメントの基本的な役割、オイルフィルターとの違い、エンジンオイルの清浄作用、オイルエレメントの構造、そして交換時期の目安とその重要性について、詳しく解説します。
オイルエレメントの基本的な役割
オイルエレメントはエンジンに供給されるオイルを清浄するためのフィルターであり、その主な役割は、エンジンの摩擦部分から削り取られる微細な金属片や、オイル自体が持つ不純物、燃焼過程で発生するスラッジなどを除去することです。
エンジン内部を清潔に保つことで、部品の摩耗やエンジン性能の低下を防ぎ、結果としてエンジンの寿命を延ばします。
オイルエレメントが正しく機能しないと、エンジン内部に不純物が堆積し、最悪の場合、エンジンの故障につながることもあります。
したがって、オイルエレメントはエンジンの健康を維持するために重要な役割を果たしているのです。
オイルフィルターとの違い
しばしばオイルエレメントとオイルフィルターは同義語として使われますが、実は微妙な違いがあります。
オイルエレメントはオイルフィルターの核となる部分で、不純物を捕捉するためのフィルター部材そのものを指します。
一方、オイルフィルターは、このエレメントと、エレメントを収容するケースや接続部品なども含めた全体のユニットを指します。
つまり、オイルエレメントはオイルフィルターの一部分であり、エンジン保護という共通の目的を持ちながらも、概念として若干の違いがあるのです。
エンジンオイルの清浄作用
エンジンオイルは、エンジンの摩擦を軽減し、冷却と清浄を行う役割があります。
特に清浄作用は、エンジンの長寿命化には欠かせません。
オイルはエンジン内を流れながら、不純物を吸着し、エンジンの隅々まで運びます。
ここでオイルエレメントがその役割を果たし、不純物をフィルターに捕捉することで、クリーンなオイルのみがエンジン内を循環するようにします。
この連携により、エンジンは常に最適な状態で動作し続けることができるのです。
オイルエレメントの構造
オイルエレメントは主に紙や合成繊維、金属網などで作られており、多孔性のフィルター材を使用しています。
これらの材料は、微細な不純物を捕捉しつつも、オイルの流れを妨げないよう設計されています。
また、一部のオイルエレメントにはバイパスバルブが組み込まれており、フィルターが目詰まりした際に、フィルターを迂回してオイルがエンジンに供給される機能を持っています。
これにより、オイルフローの途絶えを防ぎ、エンジンの保護を強化しています。
交換時期の目安と重要性
オイルエレメントの交換時期は、通常、エンジンオイルを交換するタイミングと同時に推奨されます。
多くのメーカーでは、5,000kmから10,000kmごと、または半年から1年に一度の交換を推奨しています。
定期的な交換は、エンジン内の不純物が適切に除去され、エンジン性能が最適な状態で保たれるために不可欠です。
交換を怠ると、フィルターの効果が低下し、不純物がエンジン内に堆積することで、エンジンの劣化や故障のリスクが高まります。
正しいメンテナンスを行うことで、エンジンの寿命を延ばし、車の性能を最大限に活かすことができるのです。
オイルエレメントの選び方
車のエンジン性能を長期間維持するには、適切なオイルエレメントの選択が重要です。
車種に適合したものを選ぶこと、素材やブランドによる性能の違いを理解することがポイントとなります。
ここでは、オイルエレメント選びにおける基本的な知識と選択のコツを紹介します。
車種による適合性
オイルエレメントを選ぶ際、最も重要なのは車種に適合しているかどうかです。
メーカーが指定する仕様に合ったエレメントを選ぶことで、エンジンオイルの流れを適切に制御し、エンジンを保護します。
車の取扱説明書や、エレメントのパッケージに記載された適合車種を確認することが大切です。
適合しないエレメントを使用すると、オイルの流れが妨げられエンジン故障の原因となることもあります。
素材の違いと性能
オイルエレメントは、主に紙や合成繊維、金属などの素材で作られています。
紙製のエレメントは安価で広く利用されていますが、合成繊維や金属製のものはより高いろ過能力を持ち、耐久性に優れています。
高性能なエンジンや、過酷な条件下での使用を想定している場合には、これらの素材から作られたエレメントが適していることがあります。
エレメントの素材による性能差を理解し、使用環境に応じて選ぶことが重要です。
ブランドによる違い
市場には多数のオイルエレメントブランドが存在し、それぞれ品質や性能、価格に差があります。
国内外の有名メーカー製品は信頼性が高い反面、価格が高めの傾向にあります。
一方、価格を抑えたい場合は、コストパフォーマンスに優れるブランドの選択も一つの手です。
ただし、あまりにも安価な製品は性能が低い可能性があるため、購入時には性能評価やレビューを参考にすると良いでしょう。
オイルフィルターのメンテナンス
オイルフィルターは定期的な点検や清掃、必要に応じた交換が不可欠です。
適切なメンテナンスを行うことで、エンジン性能を維持し、長寿命を実現することができます。
ここでは、フィルターのメンテナンスに関する基本的なポイントを解説します。
定期的な点検の重要性
オイルフィルターは、使用するうちに異物が溜まり、徐々に性能が低下します。
定期的な点検を怠ると、フィルターが目詰まりを起こし、エンジンへのオイル供給が不十分になる恐れがあります。
そのため、オイル交換時にはフィルターの状態も合わせてチェックし、異常が見られる場合には速やかに交換することが推奨されます。
特に高温や多湿、粉塵が多い環境で使用する車両は、点検の頻度を増やすことが望ましいです。
フィルターのクリーニング方法
オイルフィルターのクリーニングは、性能の維持に重要な作業です。
クリーニング方法は、エレメントの素材によって異なります。
紙製のフィルターは基本的に交換が必要ですが、金属製や合成繊維製のものは専用のクリーナーで洗浄することが可能です。
クリーニングの際は、メーカーの指示に従い、適切な方法で行うことが大切です。
また、洗浄後は完全に乾燥させてから車両に取り付けることが重要です。
損傷時の交換サイン
オイルフィルターは損傷や老朽化により、交換のタイミングが到来します。
点検時にエレメントに損傷や変形が見られる場合、また、オイル圧の低下やエンジン音の異常が認められる場合は、早急に交換が必要です。
長期間交換せずに使用を続けると、エンジンへのダメージが大きくなり、最悪の場合、エンジンが停止する事態も考えられます。
定期的な点検と、問題が認められた時の迅速な交換が、エンジンを保護する上で非常に重要です。
車のメンテナンスでオイルエレメントとオイルフィルターを最適に保つ
車をベストなコンディションで維持するためには、オイルエレメントとオイルフィルターのメンテナンスが重要です。
適合性の確認から素材やブランドによる性能の違いまで、選択には慎重な検討が求められます。
また、メンテナンスでは定期的な点検と適切なクリーニング、損傷時の迅速な交換が不可欠です。
車の性能を長期間にわたり維持し、快適なドライブを楽しみましょう。